<メモ>靴は”履く”、ジーンズは”穿く” 

どの生地で作る?

あなたなら、どの生地でジーンズを作りますか?

4つの生地を挙げるので考えてみてください。

水を通していない、生の生地

左からA(13オンス)、B(13.5オンス)、C(14オンス)、D(15オンス)



A(13オンス)

B(13.5オンス)

C(14オンス)

D(15オンス)

タテ糸の断面

上からABCD

洗濯実験

真ん中A(13オンス)、下B(13.5オンス)

真ん中C(14オンス)、右下D(15オンス)

加工実験

表面を擦って強制的に色落ちさせています。

A(13オンス)

B(13.5オンス)

C(14オンス)

D(14オンス)

ミミのアタリ感

左からAB

左からCD

生地のスペック

この生地を作ったコレクトさんにスペックを問い合わせてみました。

スペック

A生地
規格は、 経7番、緯7番/打ち込み 64×44本/インチ間 13オンス
原綿はジンバブエで、茶綿を配合。
織テンションは通常程度
染色はピュアインディゴをやや濃色でロープ染色
茶綿の上からインディゴ染めしてるので、色落ち時にも少しだけですが茶が効いてきます。
ムラの形状は他のジンバブエを歌うジーパンよりも大人しい形状をしています。

B生地
規格は、 経7、緯7番/打ち込み 62×46.5本 13.5オンス
原綿はメンフィス
織はややザラ感が出るようにしています。
1950年代のジーパンの色をイメージした色です。

C生地
規格 経7番、緯6番/打ち込み 64×46本 14オンス
基本的にはA生地と同じで、緯糸は茶綿の代わりに白綿を使ってます。

D生地
規格 経6、緯6番/打ち込み 62×44本 15オンス
USコットンを使った硬めの生地。
上3つは自然ムラといって、昔ながらのムラ形状の出し方でナチュラルなムラ感を出してますが、
こちらは量産型でコンピューター管理でムラ感出しているので機械的な色落ちになります。
色はインディゴに硫化染料で黒を足して濃色にしています。

追加質問

・原綿のジンバブエとメンフィスのそれぞれの特徴、違いは?

ジンバブエは繊維長が長く、油分が多く、綿が白いので、ソフト、しなやか、光沢の有る生地になります。
メンフィスは一般的な繊維長で、ジンバブエよりは油分が少ないので、ラフでやや硬めの生地になります。
もっと柔らかいとか、もっと硬い綿は有るので、この2種を比較した場合は上記のような表現になります。

・茶綿は、何のために使う?

よくジーンズメーカーがジーパンの時代考察をしていますが、その考察の一つになります。
現在は綿づくりも技術が上がり均一な物を作れますが、昔は品質よりも量で有り、一つの綿畑にも、白綿と茶綿が一緒に出来ていました。今はもしできても茶綿は取り除かれますが、昔は気にせず混ぜていたのでは、、
昔の写真を見ても、白綿の中に茶綿がポツポツと生えており、それでは当時の再現で、というのがきっかけです。

・B生地のザラ感がでる織りとは、どんな織りですか?

ザラ感を出すのにも2通りあります。

1)経糸のテンションと、機の調整で出す方法
2)織機のリズムを狂わせてあえてランダムにテンションを変える方法

B生地は、1)の方法です。

まず弱テンションにしてからあとは機の調整でザラの具合を加減します。
機の調整は職人さんのカンなので、どこをどうしたら、、というのはすみませんが説明できません。
また織り前に糊付けしますが、それも硬めの物を使います。

・自然ムラ、昔ながらのムラ形状の出し方とは、どんなやり方ですか?

昔は、糸を真っ直ぐに引こうとしたけど、機械精度の問題でムラになっていました。

それを現代では技術的にムラを出すのですが、

1) 綿を撚る時の遠心力を利用してムラの強弱を付ける方法。

2) コンピューターでムラを設計して行う。

アナログかデジタルか、という違いなのですが。

どの生地で作る?

どの生地で作るか、選べましたか?

同じ様で同じゃない生地。
実際に選ぶ際には、ここまで細かいスペックを知る必要はありませんが、色々な要素が複雑に合わさってデニムができているという事は伝わったと思います。

デニムは、知れば知るほど奥が深い生地です。